先日、マイクロソフトより“Project Siena”のベータ版が公開されました。
このProject Sienaはコードを書かずに手軽にWindows ストアアプリを作ることのできるツールで、あらかじめ用意された「Visual」を組み合わせてアプリケーションをデザインします。
また、様々なデータソースも連携させることができ、Excelワークシート(ただし、利用するデータはテーブルとして構成されている必要があります)、Rssフィード、REST API、SharePointなどからデータを取得して利用することができます。
この中で、注目すべきポイントはWindows Azure Mobile Servicesにも対応している点です。
そう、モバイルサービスのデータを引用することができるのです。
なぜ私がこのSienaに注目しているかというと、このモバイルサービス連携が可能である点に他なりません。
では、さっそく使ってみましょう・・・と、言いたいところですが、その前にモバイルサービスにちょっとした「準備」が必要となります。
それは、モバイルサービスに「zz_config」というテーブルを作成し、文字列型の「Key」と「Value」の列を追加しておく必要があることと、定義したzz_configテーブルに利用するテーブルの情報を登録しておく必要がある点です。なお、KeyおよびValueは先頭が大文字でないと正しく認識できませんのでご注意ください。(注:Azure管理ポータルのモバイルサービス管理画面で列を追加するとすべて小文字になってしまいます。)
このzz_configに登録する内容は以下の通りです。
Key:”table”(固定の値です)
Value:[利用するテーブル名]
以上の準備が完了したら、Project Sienaを起動し、データソースを追加してみましょう。
Windows Azure Mobile Servicesを展開し、モバイルサービスのURLとアプリケーションキーを入力し虫眼鏡ボタンをクリックします。
すると、Project Sienaはzz_configの内容を取得し、インポートするテーブルの一覧を表示します。
この中から、インポートしたいテーブルを選択し「Import data」をクリックするとインポートが完了します。
インポートが完了したら、データをVisual(コントロール)にバインドしてみましょう。
バインドは極めて簡単で、バインド可能なプロパティのボタンが左下に表示されるので、それをクリックしてデータソースを選択し、バインドさせたい列を指定するだけで完了します。下の例は、Textギャラリーに「Album」というデータソースを選択した例です。
データソースを選択すると、次にどのプロパティにどの項目を関連付けるかを指定することができます。
また、他のリストで選択した項目をパラメーターにしてデータをフィルタリングしたいような場合には、Filter関数を利用することができます。
以下の例は、選択されたアルバムに属する写真のデータだけをフィルタリングしている記述です。
このようにして、簡単にモバイルサービスのデータを表示するようなアプリケーションが構築可能です。
このSienaの登場で、モバイルサービスで提供するサービスをソリューションの一部として提供することも可能になってきました。
また、モバイルサービスで提供しているカスタムAPIなどを組み合わせることでより多くの機能をSienaに持たせることも可能です。
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